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2025/02/26 12:00

先週末に幕を閉じた『しまじりアートフェスティバル』のお手伝いをしていた関係で、食のスペシャリストお二人のヘルプに入ることになり、その仕事を側で拝見させてもらえる機会を得ました。

そのお二人というのが、うるま市にて沖縄食材のみで構成するフランス料理をコース仕立てで提供する料理店『Mauvaise Herbe』(モヴェズ エルヴ)のシェフ・小島圭史さんと、沖縄市コザのゲート通りの顔とも言える存在のソーセージ店『TESIO』を営む嶺井大地さん。

⁡ @mauvaise_herbe_okinawa 

 @tesio_sausage 


小島さんについては前身である『名前のない料理店』のシェフ、というとご存知の方も多いかもしれません。ご自身の周りにある、違和感のない食材と向き合い、納得できるものだけを料理に仕立てる。

そんな料理人である小島さんが今回のアートフェスで用意したのは、沖縄で駆除対象となっているリュウキュウイノシシとコウライキジを信頼する猟師から譲り受け、それに加えて自らの手で採り集めた野菜や果物、野草や土などを使って仕上げた”ひと皿”ならぬ”ひとテーブル”。

この日はイベントのチーフディレクターであり画家でもある梅原龍さん、フラワーアーティストの宮平亜矢子さん、そして小島さんの三人のユニットである『トリコロール』としての場だったこともあってか、カラフルで自由で、それでいて生々しくて艶かしい仕上がり。それをお客さんが思い思いに掬い、混ぜ合わせ、体験した事のない味わいに舌鼓を打つ。終盤には手づかみで食材を混ぜ合わせながら頬張る。心と身体が高鳴る食体験でした。

小島さんが会場での仕込みの時から話してくれたこと、本番でのお客さへのお話、そしてイベントが終わった後のゆったりとしたおしゃべりでも、一貫しておっしゃっていたのは”命との向き合い方”、そして”自分自身の当たり前と実直に向き合うこと”でした。喋るのはあまり得意では無いという小島さんが話してくれた言葉たちに、ますますのシビれてしまいました。

翌日は大地さんがTESIOと並行してが率いている木工チーム『GUWAPO』とともに。 @guwapo.okinawa 

大地さんが”食に携わるものとしてアートフェスに参加するということ”に出したアンサーが’豚の一頭丸ごと焼き上げる”ということでした。しかもただ焼くだけではなく、共感する地元農家さんから豚を一頭のまま譲ってもらい、その豚を刺して回す機材から造るという、肉のプロであるTESIOと木工のプロであるGUWAPOを率いる大地さんだからこそできる表現に挑戦していました。



彼らにとっても初の試みでいろんなトラブルは起こったけれど、それを乗り越えていく過程もワクワクとドキドキが止まらない。ギリギリまで諦めないし、ギリギリでも良いパフォーマンスに考え、すぐさま次への課題を話合う。そうやって焼き上げられた豚をお客さんの待つ店内に運び込んだ時の高揚感は感動的ですらありました。じっくりと焼かれた豚肉は驚くほどジューシーで、思わず「うまっ!」と声が出ちゃうほど。

大地さんと焼き上げる間に話していたのも、焼き上がった豚をお客さんの目の前で切り分ける直前に話していたのもやはり”命との向き合い方”と”食べるっていうことはどういうことなんでしょうね?”という各々への問いかけでした。

かたや、多くを語らず、自身のいる土地や関わり合い、その瞬間に至るまでと実直に向き合って食材を得て、それらを自らの培ってきた技術と経験によって食べ手を震わす料理に仕立てる小島さん。

かたや、多くの人を巻き込んでチームを組んで、時には地域や街の顔となって、食を通した営みで暮らしをもっと楽しくしようぜ!と言わんばかりに走り続ける大地さん。

それぞれに違うアプローチで”食べること・おいしいということ”に邁進するお二人が、”命と向き合う”という点で同じ意味のことを体現してくれて、連日その場に立ち会えた事にとてつもない感動をもらえて、“おきなわのおいしい”をビンビンに感じることができた二日間。その場で体感するって、やっぱり大切ですね。

お二人の側で時間を共有させてもらって、小島さんの料理をしっかりいただいたのはもうだいぶ前になってしまったから、ちゃんとお店に伺おうと改めて心に決めたし、STOREで扱わせてもらっているTESIOのソーセージやハムもしっかりとお客さんの手に届けていかないとな、とも改めて。

食べ手である我々もいろんな”おきなわのおいしい”に向き合って、食べることを楽しんでいきましょう。

Special Thanks

TESIO・GUWAPOの写真と映像提供:國場りき さん @riki_okinawa_photography 

text:シオヒラ