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2025/08/10 12:00

沖縄の方言で焼き物のことをいう「やちむん」。沖縄を代表する伝統工芸であっても「沖縄の土をつかっていなければいけない」というような明確な定義が実はなかったりして。だからこそどうしてやちむんが生まれたのか、沖縄の工芸として発展したのか、深く掘れば掘るほど学べることがたくさんあるものです。




つい先日、読谷村にある「やちむんの里」へ行ってきました。ここは19のやちむん工房が集まるエリアで、やちむんを焼く登り窯や、伝統的な技術を受け継ぐ陶工の皆さんが日々作陶する風景も見ることができます。やちむんづくりが営まれる風景を目の当たりにしながら、やちむんに対する知見を深められたらいいなとの心持ちで、それぞれの工房をめぐりました。

器づくりの現場は、自然に囲まれていて長閑な雰囲気だったけれど、登り窯につかう薪がたくさん蓄えてあったり、窯焚きに向けて毎日コツコツとつくられた器が乾かしてあったり、眺めているだけでもあらゆる手間暇を見ることができました。




写真にはないけれど、やちむん好きなら誰もが知っている大嶺實清さん(おおみねじっせい)や、北窯の親方のひとり松田さんが現場にいらっしゃったのも、沖縄の伝統工芸やちむんの偉大さを感じさせました。

お家にかえってからも、やちむんやその歴史、誰が誰の師匠でお弟子さんで、この登り窯はどの工房がいくつ集まって運営していて…なんかを興味のむくままあらためて調べてみたりして。足を運んだことで学びに繋がる、そんな機会となりました。

やちむんの里めぐりで最後にうかがった「陶芸宮城」は、人間国宝である金城次郎さんのお孫さんにあたる宮城三成さんの工房ショップです。三成さんの器は沖縄の生き物や自然を線彫りで大胆に描いたものが印象的でしたが、近年はパイナップルやいちごといった可愛らしいモチーフでおちゃめな印象の器もあって、そのシリーズの器をほんの少量ですが島の装い。STOREにも置かせていただきました。ぜひ手に取ってみてくださいね。

text:コミネ