2025/09/28 12:00
ぼくのおばあちゃんがよくお世話になった遠い親戚に瀬底恒さんという人がいて、その人はコスモ・ピーアールに入社して多数の企業広報誌を手掛けユージン・スミスなどを日本に紹介し、1964年には竹中工務店の広報誌「approach」をデザイナーの田中一光さんや写真家の石元泰博さんらと共に創刊したりした編集者だったんだけど、母方の親類だった柳宗悦さんを頼って最初に務めたのは「日本民藝館」だった。
その柳宗悦さんが「民藝運動」を提唱したのがいまから99年前のこと。ChatGPTに要約してもらうと民藝運動とは「名もなき職人が作る暮らしの道具に“美”を見いだしたムーブメント。日常に宿る美しさを再発見する考え方」。そのさらに50年ほど前にイギリスで起きた「アーツ&クラフツ運動」は、これまたChatGPTに要約してもらうと「19世紀イギリスで起こった“生活と美の回復”ムーブメント。産業化に抗い、手仕事と日用品に美を取り戻そうとした運動」のこと。
なにが言いたいかというと、暮らしに根ざした「ものづくり(手しごと)って、良いよね」って、150年とか100年とか前からずっと人間は言ってきたんじゃないかってこと。そしてその時間の流れの片隅に、島の装い。もいるんじゃないかってこと。







昨日は沖縄民藝協会が開催した「手しごと市」を見てきた。そこにはやちむん、紅型、染め、織り、漆などさまざまな作品が展示されていた。ふと我が家を眺めてみたら、島の装い。のつくり手たちをはじめ、これまで出会ってきたさまざまな手しごとが暮らしを彩ってくれている。いろんな地域や国、時代のものがあって、表情はさまざま。民藝とか工芸とか、ものづくりとかっていろんな捉え方があって説明がむずかしいけれど、触れた手から感じるのそのあたたかな魅力は、言葉を超えてだれにでも等しく伝わっていく。「ものづくりってなんか良いよね」っていう“感覚”を頼りに始めた島の装い。だけど、活動を続けることで、「ものづくりが暮らしのそばにあることって、人が心豊かに暮らしていくために想像以上に大切なことなんじゃないか」って、気付かされたような気がする。
text:セソコ