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2025/12/14 12:00



以前、4ヶ月かけて“月桃のカゴ”を作る講座に参加しました。ご存知の通り月桃は沖縄ではどこにでも自然に生えていて、その葉っぱはムーチーを包むのに使ったり、実はお茶になったり、花が咲けばあたらしい季節の便りになったりと、沖縄の暮らしに根付いた身近な植物です。



元来ものづくりが好きな私は「月桃は色々なところに生えてるし、自分で作れたらめっちゃいいじゃん!」と、嬉々として講座に申し込んだのでした。

4ヶ月という期間に少し覚悟はしていたものの、完成までの道のりは険しかった。どこにでも生えていると思っていた月桃も、採取していいものをと思うとなかなか見つからず、知人の実家のお庭や畑から譲ってもらったり、夜中にこっそり茂みを探して採りにいったり。



それから茎を1枚ずつ剥がして、不要な繊維を削いで、乾燥させて細く割いて...。講座に間に合うように徹夜で縄綯い(なわない)をして、慣れない姿勢による腰痛と戦う日々でした。でもその工程の全てが楽しかったし、できあがったカゴは歪みも含めて愛おしい唯一無二のものになりました。

幸せなことに、いま私の暮らしのそばには様々な沖縄の手しごとがあります。値段だけ見たら「おぉっ」と思ってしまうものも、ひとつのかごを編むのにかかった数ヶ月間のことを考えると納得ができるし、むしろ「この値段でいいの?」と思うことさえあります。



生活をする上では海外の工場で大量に作られるものでも遜色はないし、もしかしたら無くても困らないものなのかもしれない。けれど先人の知恵や技術が受け継がれ、暮らしに根付き育まれてきたものたちに敬意や感謝を抱き、大きな魅力を感じます。技術として習得するまでの時間、素材から作品として形になっていくまでの工程、それは“好き”だけでは決して続けられないことだと思うのです。

今の時代、「残していく」という意識をしないと、もしかしたら消えていってしまう技術もあるのかもしれない。月桃のカゴ作りを体験をしたからこそ、そういう部分を想像できるようになったように思います。



先日、島の装い。STOREでkot'oliの屋嘉比りささんによる「真菰(まこも)で作るしめ飾り」のワークショップがありました。この時も、出来あがっていくしめ縄を眺めながら、手でつくりあげることの美しさ、次のひとに伝えていくことの大切さを思っていました。

やっぱり流行りのものや便利なものも気になるし好きだけど、ずっと残していきたい景色が沖縄にはたくさんあるなぁと思います。おおらかな空気と共にいつまでもそばにあってほしいと願うのです。

text:うえむら